Letter to you -買ってくれたあなたへ-

私は吹きガラスでうつわなどを作り、作家として生計を立て…いや、生計を立てようと奮闘中です。
展示会やイベントのたびにドキドキしながら作品に値札を貼っています。作品が綺麗に見えるように精一杯たくさん並べて…私の作るものに、どれほどの価値があるのだろう?そう不安に思う気持ちはなかなかなくなりません。
それでも、この手でゼロから生みだした作品たちを、心から愛おしく思っています。
この道に進むと決めて、父に言われた印象的な言葉があります。

「作品ではなくて、人間性を買ってもらえるような作家に」

作品と向き合っている時間、努力したこと、工夫したこと、私が作ったということに、価値を見出してもらえるようにと。

自分にも作品にも自信はない。迷ったりくじけたり、上手くいかないこともたくさんあります。それでもガラスが好きで、作ることが好きでここまできたということは胸を張ってみようとようやく最近思えるようになりました。
それは、いつも支えてくれる周りの人やこれまでに作品を買ってくれた、見てくれた全ての人のおかげです。
今回は、"買ってくれたあなたへ"というテーマに寄せて私自身のルーツをはじめ、制作を通した出会いや学んだことなどを自伝的に綴ってみることにしました。テーマからは少しかけ離れた部分もあるかと思いますが、お付き合い頂けますと幸いです。